2017年8月18日金曜日

第一の皿 Primo Piatto プリモ・ピアット

第一の皿とは?
イタリア語で「第一」はプリモ(Primo)、「皿」はピアット(Piatto)!アンティパストが終わると、プリモ・ピアットの登場です。
プリモ・ピアットには次の3種類があります。

1.パスタ(Pasta)
イタリア料理を最大に特徴付けているのは、何と言ってもパスタですが、これらは実に多くの種類と調理法があります。
パスタは元々は南イタリアのナポリを中心とした庶民の日常食でした。
ところが、ルネッサンス期に富裕階層にも広まったことでソースや高級食材が使用され、徐々に多彩多様になっていきました。
パスタといえば通常はスパゲッティやマカロニなどの乾燥パスタを指しますが、最近は自家製で手打ちの生パスタを使う店も増えています。

2.リゾット(Risotto)
米(リーゾRiso)を炒めて水や出し汁で煮炊きした料理です。
リゾットは元々は北イタリアで米の名産地ポー川の一帯を中心に食べられていました。
イタリア全土に広まったのは第二次世界大戦後のこと。意外に最近なんですね!

3.ズッパ(Zuppa)
スープのことです。
因みに、ズッパをミネストラ(Minestra)と呼ぶ店もあります。
また、ミネストラはパスタ、リゾット、スープの総称でもあり、これが「プリモ・ピアット」にパスタ、リゾット、スープが同項目にされている理由でもあるんです。

4.ピッツァ、ポレンタ
ピッツァ、更に玉蜀黍(とうもろこし)から作るポレンタは、元々は庶民の素朴な日常食で、高級店にはなかったものですが、今日では洗練されてリストランテのメニューにも加えられることがあります。

プリモ・ピアットを注文しましょう!
基本としてはプリモ・ピアットの項目から1品を選びますが、もし数種類をシェアして食べたい場合は、注文する際にその旨を伝えてみてください。
気の利いた店なら、各自の皿に数種類を適量に盛り合わせて出してくれます。

プリモ・ピアットの食べ方とシルバーは?
アンティパストのシルバーが下げられると、プリモ・ピアット用のシルバーがセットされます。ただし、メイン用の一対もセットされている場合は、外側がプリモ・ピアット用のシルバーです。

ところで、「パスタにはスプーンが必要か?不要か?」という議論をよく聞きませんか? この答えは「ややスプーンは不要・・」と言ったところでしょうか。
つまり、スプーンはパスタをすくいにくい場合などの補助用として添えられていて、リゾットや具だくさんのスープも同様です。
本場イタリアの人々はフォークだけで上手にパスタを食べますがよね。私たち日本人は深く考える必要はないとも思います・・

プリモ・ピアット あるある料理!

にんにくと唐辛子のスパゲティ
Spaghetti Aglio Olio e Peperoncino
スパゲッティ・アーリオ・オーリオ・エ・ペペロンチーノ
ペペロンチーノと呼ばれ最も有名で、基本材料がにんにく、唐辛子、オリーヴ油と、最もシンプルなスパゲッティです。よく私たちが口にするペペロンチーノとはイタリア語で「唐辛子」のことです。
味の決めては、にんにくと唐辛子の風味をオリーヴ油に充分に浸み込ませた香ばしいソース。これでパスタを「炒めた」というより「和えた」料理といえます。
ペペロンチーノは普段から家庭でも手軽に食べれる料理なので、有名な割りにはメニューには載せていない場合が多いですね。でもスパゲッティのある店で尋ねれば、ほぼ作ってくれます。

イタリア語でにんにくはアーリオ、唐辛子はペペロンチーノ、オリーヴ油はオーリオと言います。
にんにくとオリーヴ油は古くからイタリアの一般的な食材でしたが、唐辛子は最初は高価だった胡椒の単なる代わりとして使われていました。
ところが、胡椒より辛さの際立つ食材として多様に使われるようになり、今日ではイタリア料理の大きな要素の1つとなっています。
ちなみに、パスタの一種の「スパゲッティ」は「細い紐」という意味です。

漁師風スパゲッティ
Spaghetti alla Pescatora Rosso
 ズパゲッティ・アッラ・ペスカトーラ・ロッソ
ペスカトーラは「漁師」の意味で、海老や烏賊、貝などをふんだんに使ったスパゲッティです。
イタリア南部から北部に続くリグーリア海沿岸地域でよく食べられています。
本場では魚介の出し汁に白ワインを加えたシンプルな味付けのBianco(ビアンコ=白)が一般的ですが、日本では更にトマトを加えたRosso(ロッソ=赤)が多いですね。

イタリア語で「漁師風」をアッラ・ペスカトーラと言います。このようにイタリア料理では職業名の入った料理が多いんです。
例えば、炭焼き人風はアッラ・カルボナーラ(alla Carbonara)、狩人風はアッラ・カッチャトーラ(alla Cacciatora)、娼婦風はアッラ・プッタネスカ(alla Puttanesca)などです。
職業ではありませんが、アッラ・ディアヴォラ(alla Diavola)で悪魔風というものもあります。

リングイーネのジェノヴァ風
Linguine alla Genovese
リングィーネ・アッラ・ジェノヴェーゼ
バジリコの緑色を活かしたソース(Pesto Genoveseペスト・ジェノヴェーゼ)でリングィーネを和えたもの。リングィーネは「小さな舌」という意味で、スパゲッティを平たくした形のパスタです。
リグーリア州ジェノヴァ地方を発祥とする料理で、ジャガイモと鞘インゲンを加えるのがジェノヴァの伝統的スタイルといえます。

「ジェノヴァ風」とはペスト・ジェノヴェーゼを使ったものを指し、パスタ料理以外にも使われます。
バジリコの名産地として知られるジェノヴァ地方。ペスト・ジェノヴェーゼもバジリコの緑色が特徴で、これにオリーヴ油、大蒜(にんにく)、松の実、チーズ(パルミジャーノ・レッジャーノとペコリーノ)等を擦り混ぜて作ります。

唐墨と冷たいカッペリーニ
Capellini Freddi con Bottarga
カッペリーニ・フレッディ・コン・ボッタルガ
カペッリーニは「髪の毛」という意味の極細パスタで、ボッタルガはイタリア語で「唐墨(からすみ)」をいいます。
鯔(ぼら)や鰆(さわら)の卵巣を塩漬けにして乾燥させた唐墨は、日本でも高級珍味として有名ですよね。因みに、イタリアの唐墨は鮪の卵巣を使うんです。
冷製仕立てたのパスタは前菜の代わりにもなる、夏にはお勧めの一品です。

冷たい麺類は日本人の昔からの好物ですが、イタリアではパスタを冷やしてサラダ仕立てにしたものを家庭で食べる程度でした。
ところが、これにヒントに、冷たいパスタを初めて提供したのがミラノの高級レストラン『マルケージ』でした。
キャビアを添えた冷たいパスタは瞬く間に話題になり、これをきっかけに多くのレストランでも冷たいパスタが登場するようになりました。

ポルチーニ茸のフェットチーネ
Fettuccine con Funghi Porcini
フェットゥッチーネ・コン・フンギ・ポルチーニ
フェットチーネ(フェットゥチーネとも)は「小さなリボン」の意味で、幅5~6mmの平打ち状のパスタです。これより、やや細く薄い「タリアテッレ(tagliatelle)」も中南部イタリアではフェットチーネとされています。
乾麵を使う店もありますが、やっぱり手打ちのフェットチーネのもちもちした食感がおすすめですね。

「ポルチー二茸(たけ)」は、香り、味、食感、どれを取ってもイタリア最高の茸(きのこ)といわれ、日本では「イタリアの松茸」と称されています。
収穫される夏から秋に日本にも輸入され、新鮮なものは縦半分に切って軽く炒めるだけでも美味しく、アンティパストにも適した食材といえます。
また、ポルチーニ茸は冷凍物や乾燥物でも流通していますが、味や香りが特に落ちることはなく味わえる、便利な食材でもあります。

ペンネ・アラビアータ
Penne all'Arrabbiata
ペンネ・アッラビアータ
イタリア中部やローマ地方ではとてもポピュラーなパスタ料理です。
ペンネはペン先の形をしたショートパスタで、短くて肉厚なのでソースにからめやすく、辛いソースや濃厚な味のソースによく使われます。
表面全体に筋の入ったものはペンネ・リガーテ(Penne Rigate)と呼ばれます。

「アラビアータ」は「怒った」の意味で、けっしてアラビアとは関係ありません。
トマトとニンニク、赤唐辛子で作ったソースで、思わず怒りたくなるほど辛いソースということから付いた名前です。

フジッリの娼婦風
Fusilli alla Puttanesca
フジッリ・アッラ・プッタネスカ
「フジッリ」は「糸巻き」の意味のショートパスタです。
娼婦風では通常はロングパスタと和えますが、ショートパスタのフジッリはソースが絡みやすく、美味しく味わえます。

「娼婦風」はイタリア語でアッラ・プッタネスカ。アンチョビ、トマト、赤唐辛子、ブラックオリーヴ、ケイパー、にんにくなどで作ったソースを和えたもので、ナポリの伝統的なパスタ料理で、アンチョビを使った料理の代名詞といえます。
名前の由来は諸説云々で、娼婦が仕事前に日常にある材料で手早く作って自分の子に食べさせていたという説、時間待ちをしている客にふるまっていたという説、または、食べるとその気が増すという説などがあります。

4種類のチーズ入りニョッキ
Gnocchi ai Quattro Formaggi
ニョッキ・アイ・クワットロ・フォルマッジ
4種類のイタリア産チーズ(ゴルゴンゾーラ、パルミジャーノ・レッジャーノ、フォンティーナ、タレッジョのソースでニョッキを和えた料理です。
「ニョッキ」は茹でて裏ごししたジャガイモに小麦粉を加えて作った水とん風の食感のパスタ。基本はジャガイモが使われますが、かぼちゃやほうれん草を使う事もあります。
またニョッキはローマなどイタリア中部以北で特に親しまれ、カトリックでは戒律で「精進の日」である金曜日の肉食を禁じていたため、「木懼日はニョッキ」という言葉もあるほど、沢山のニョッキを食べて金曜日に備えてお腹を満たしたそうです。

ラヴィオリ
Ravioli
ラヴィオリ
中に詰め物をしたパスタのことで、よく「イタリアの餃子」とも言われますが、詰め物も形も様々です。
中世後期から主にイタリア中部以北で食べられていましたが、現在は世界的にもよく知られているパスタです。
イタリアでは地域によっては、半月形のラヴィオリをアニョロッティ(Agnolotti)、四角いラヴィオリをトルテローニ(Tortelloni)と呼ぶこともあります。

パルメザンチーズ のリゾット
Risotto alla Parmigiana
リゾット・アッラ・パルミジャーナ
パルミジャーノチーズを入れたリゾット。他にも多くの種類があります。
リゾットはイタリア語で米(こめ)を意味するリーゾ(Riso)から派生した言葉で、米を炒めてヴイヨンまたは水で煮込んだ料理です。
日本の雑炊とよく比較されますが、リゾットは圧倒的に水分は少なめで、歯応えもスパゲッティと同様のアル・デンテ(ほど良い耳たぶの固さ)に仕上げてあります。

イタリアの米は中世にアジアからアラブ、スペインを経由して南部に伝った後に徐々に北上。17世紀に入り、栽培に適した北部のポー川一帯が有数の生産地となり、これにより北イタリアではリゾット以外にも多くの米の料理が生まれました。
ただし日本のイタリア料理店では、残念ながらイタリアのような粘り気の少ない米が無いので、本場の味に近づけるよう工夫を凝らしてリゾットを出しています。

烏賊墨のリゾット
Risotto al Nero di Seppia
リゾット・アル・ネロ・ディ・セッピア
烏賊(いか)の墨や内蔵を煮込んだ黒いリゾットで、ヴェネチア地方の名物料理です。
ソースの材料は烏賊の他に、にんにく、赤唐辛子、白ワイン、オリーヴ油、トマトソースが使われます。
「烏賊墨」を使った料理には庶民的な料理が多く、パスタや煮込み料理、またパスタやピッツァ、パンなどの生地に烏賊墨を練り込んだものあります。
日常ではなかなか見られない料理なのでメニューで見つけたら、どうぞ一度はお試しくださいませ。

ミネストローネ
Minenestrone
ミネストローネ
たまねぎ、にんじん、じゃがいも、セロリ、白いんげんなど、様々な野菜を煮込んだスープですが、一般には具沢山で汁気は少ないので、飲むというよりは具を食べる感覚のスープといえます。
ただし、汁気が多いものをミネストリーナ(Minestrina)ともいいますが厳密な区別はなく、どちらもスープ類の総称ミネストラ(Minestra)、または「野菜のスープ」を意味するもズッパ・ディ・ヴェルドウーラ(Zuppa di Verdura)呼ぶこともあります。
4時間ほどかけて柔らかく煮込み、野菜の甘みや旨味がたっぷり溶け込ませ、とろみを付けるため、パスタや米なども加えています。でも、本来は日常の家庭でマンマ(お母さん)が作る料理なので店でも作り方は千差万別です。

ズッパ・ストラッチャテッラ
Zuppa Stracciatella
ズッパ・ストラッチャテッラ
卸しチーズとパセリを加えた溶き卵を熱々のスープに流し込んだものです。
ローマが発祥地とされていますが、他の地域にも似たスープが昔からある事から異論を唱える人もいます。
ズッパは「スープ」の事。ストラッチャテッラは「ぼろ雑巾」の意味。合わせると「ぼろ雑巾スープ」。
かき卵による表面が使い古しのぼろ雑巾に似ているところから名付けられたそうで。日本人からすると、凄いネーミングですよね~!
そうそう、ズッパと言えば・・スライスしたパンを浮かべたスープがありますよね。これは硬くなったパンにスープをかけて食べていた昔の庶民の習慣の名残りなんです。

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