2017年8月30日水曜日

第二の皿 Secondo Piatto セコンド・ピアット

第二の皿とは?
第二の皿はイタリア語でセコン・ピアット(Secondo,Piatto)。メニューの主役であるメインディッシュのことをいいます。
セコンド・ピアットには肉料理と魚料理があり、双方とも数多くの種類があります。
その中には日本人の私たちに馴染みの薄い、兎の肉や鹿肉などもあったり・・
でも、そんな多様な食材に出会えるのも、レストランの楽しみともいえます。

主流の肉料理!急上昇の魚料理!
イタリアでは肉類の消費量が魚介類より多いので、店でもプリモ・ピアットの主流はもちろん肉料理で調理法もバラエティに富んでいます。

これに対して魚介類は、かつてカトリックでの肉食を断つ習慣、毎週金曜日「精進の日」の蛋白源を補うための代替品に過ぎませんでした。
しかし近年はダイエット志向の影響などにより、魚介類の消費が急激に高まってきました。このため、店側も魚料理への研究と工夫を凝らして進歩を続けています。

セコンド・ピアットを注文しましょう!
セコンド・ピアットの注文は基本的には、魚料理か肉料理のどちらか1品を選びます。
また最近のセコンド·ピアットの調理法は素材を焼くだけ、揚げるだけなどのシンプルさが主流になっているので、調理法を指定して注文できる店も増えてきています。
そこで、ここでは注文の際に指定できる基本的な調理法を記してみました。

ロースト
イタリア語では、アル・フォルノ(al Forno)で「オーヴンで焼いた」の意味。またはアッロースト(Arrosto)で「ローストした」の意味。高熱のオーヴンの中で炙り落ちた肉汁を何度もかけながら蒸し焼きにする調理法です。

グリル
イタリア語ではアッラ・グリリア(alla Griglia)で「網焼きにした」の意味。網の目状に焼き目をつけて香ばしく焼く方法です。ちなみにアイ・フェッリ(ai Ferri)は「鉄板焼きにした」の意味。

炭火焼き
イタリア語ではアッラ·ブラーチェ(alla Brace)。

フライ
イタリア語ではフリット(Fritto)。「揚げた」の意味。

ボイル
イタリア語ではレッソ(Lesso)、またはボッリート(Bollito)。「茹でた」の意味。

出来上がった料理には、塩やオリーヴ油、またはレモン汁などをかけて気軽に食べましょう。

セコンド・ピアットの食べ方とシルバーは?
肉料理のシルバー(ナイフとフォーク)は注文する前からテーブルにセットされています。
魚料理だけを注文した際には、肉料理のシルバーを下げ、改めて魚料理のシルバーをセットしてくれます。
またローストした厚めの肉を注文した際には、切りやすいナイフ(ミートナイフ)に取り替えてくれることもあります。
甲殻類の脚、小ぶりな肉(仔鳩など)は手で食べるのアリで、その際には、指先を軽く洗うために水を張った小鉢(フィンガーボール)が出されることがあります。
骨付きの肉もナイフとフォークを使って食べて、切り分けられない部分からは手を使うのもアリです。

あるあるセコンド・ピアット!

スカンピ海老のグリル
Scampi alla Griglia
スカンピ・アッラ・グリリア
縦に割ったスカンピ海老にオリーヴ油を塗って網焼きにしたもので、店によっては表面にパン粉をまぶして焼くこともあります。
高温で一気に焼くので、表面はパリッとしていながら、閉じ込められた水分で中身はふっくらと仕上がり、焼いた殻から染みだ出す海老の旨味は絶品!そのままか、レモンを搾るくらいで美味しく味わえます。
「あかざ海老」に似ている事から「ヨーロッパアカザエビ」とも呼ばれるスカンピ海老は、日本ではまだ馴染みが薄いのですが、イタリアではグリルなどの簡単な調理法で最大の旨味が引き出せることもあり、甲殻類の中で最も人気が高い食材なんです。

グリルはイタリア語で「アッラ・グリリア」。本来は焼き網を用いて炭火で焼く方法ですが、現在は炭火よりガスで焼く方法が主流です。
それでもこだわりの店では、魚や肉から溢れ落ちた脂が火種に跳ね、その煙が更に香ばしく焼き上げる炭火を使用しています。特にスカンピ海老は炭火でのグリルが最適といえます。

笠小(かさご)のリヴォルノ風
Scorfano alla Livornese
スコルファノ・アッラ・リヴォルネーゼ
オリーヴ油で揚げた笠小を、トマト、パセリ、にんにく、その他の香味野菜などと一緒に煮込んだ郷土料理。「リヴォルノ風」とは、トマトを使って魚介類を煮込む、リヴォルノ地方を発祥とする調理法です。
リヴォルノはフィレンツェの西、リグーリア海が広がる港町で昔から豊富な魚介類で有名でした。そこへスペインから来たユダヤ人が、トマトの栽培法と共に広めたのが「トマトを使った煮込み」なんです。
ちなみに本場では笠小よりも、干だら(バッカラBaccala)、ひめじ(トリリアTriglia)が多く使われます。

鱸の香草焼き
Branzino al Forno
ブランツィーノ・アル・フォルノ
鱸(すずき)に塩・胡椒を降り、セージ、ローズマリー、タイムなどの香草と一緒にオリーヴ油でオーヴン焼きにした一品。イタリアでの鱸は日本のような高価でないので、魚料理によく使われます。
鱸はイタリア語ではブランツィーノですが、ローマより南ではスピーゴラ(Spigola)ともいいます。

「香草焼き」は数種の香草を添えて焼く、イタリアでは最も一般的な調理法。日本の「塩焼き」に匹敵するかもですね。シンプルな調理法ですが、素材の持ち味を生かし、更に香り豊かに仕上がるのが香草焼きの特長です。
ちなみに香草燒きには、オーヴン焼き(al Forno アル・フォルノ)と網焼き(alla Griglia アッラ・グリッリア)の二通りがあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿

野菜 Verudula ヴェルドゥーラ

付け合わせ野菜 Contorno コントルノ 本来の野菜料理はアンティパストなどと同様に独立した一品料理で、サラダ(インサラータInsalata)もその一つです。 しかし殆どの店はメイン料理の付け合わせとして出しているので、メニューに「野菜料理」という項目を設けてはいません...